「歴史と文学の館 志 平成19(2007)年にオープン。井伏鱒二の直筆原稿の複製や、小説の主人公のモデルとなった被爆者、重松 しまり麻利ま静馬3しず 文学碑「黒い雨」神石高原 2025.8 9日に、市内にいた母の姉(伯母)が杖を突きながらようやく疎開先に戻ってきました。髪は焼け焦げ、血だらけでした。その伯母は、それから2~3日後、血を吐いて亡くなっていきました。母の妹も横川で死んだと連絡があり、祖母は3人の娘を一度に失い、「娘を返せ」と大声で叫んでいました。ていかれるから、恐ろしくて言えませんでした。終戦を迎えやっと「自由」にものが言えるようになりました。戦争は絶対にしてはいけない。平和が一番です。リーダーがしっかりと平和な世界をつくってほしいと思います。争いごとは、人が意識して防ぐことをしないといけません。母を最後に見た人は、母が「亡くなる最期まで私のことを心配していた」と教えてくれました。その母に「私は元気でいきています」と伝えたい。生きることの大切さをみんな考えてほしい。 言葉が確かなうちに、記憶があるうちに自分の体験を伝えたかったです。 さん(1903~80年)が井伏と一緒に納まった写真、2人の往復書簡などが並びます。 本庁舎近くのつつじが丘公園には文学碑が建てられています。 井伏鱒二の小説「黒い雨」は、戦争がもたらす悲劇を生々しく描写しています。原爆によって引き起こされた苦しみや、被爆された方の心の傷は、決して忘れてはなりません。 また、「黒い雨」は、過去の悲劇を描く一方で、未来への希望も示しています。平和を願う声が広がることで、戦争のない世界を築くことができるというメッセージが込められています。私たち一人一人が平和のために行動することで、より良い未来を創造することができるのです。 」 戦争、被爆から伝えたいこと 戦争当時、「戦争はいやだ。早く終わってほしい」とは思っていたけれど、口にすると警察や軍隊に連れ
元のページ ../index.html#3